BIG ROCK再始動
二人の手が描く、新たな風景。

その再会に、言葉はいりませんでした。
あの続きを、また始めよう――
そんな想いが、静かにふたりの心に重なっていたのです。

1990年より、自然が繰り出す本物の素材とまっすぐに向き合い続けてきたRoots工務店の長谷川真児。
そして、同じころカナダへ単身で渡り、独立後、カナダを拠点に、22年間(1995年~2017年)で400棟以上のログハウスとティンバーフレームを世界へ届けてきた大岩俊行。
日本とカナダ、異なる大地で培われた経験と信念が交わり、ふたりから生まれた数々の建物は、唯一無二の存在として多くの人の記憶に刻まれてきました。

しかし2017年、その物語はいったん幕を閉じます。
そして2025年。時を経てふたりはふたたび未来を語りはじめました。
年輪を重ねた木のように、技も想いも深まり、もう一度向き合う時が来たのです。

再開の舞台は、日本。
生産の拠点をカナダから日本に移し、山に眠る大径材を活かす挑戦が始まります。
かつて建築文化の中核を担っていた太い丸太は、効率や流通の都合で敬遠され、今ではその多くが使われることなく山に残されています。
ふたりは確信しています。この大径材の力を、本来あるべきかたちである「無垢材」のままで活かせるのは、自分たちしかいないと。

素材と向き合い、木の声に耳を澄ませ、その表情に最もふさわしい仕口で組み上げていく。
構造が美しさを宿し、空間に木の力が息づくとき、住まいはただの器ではなく、人生と寄り添う存在になります。
BIGROCKは、日本の木、日本の技、日本人の手で、そんな住まいをかたちにしていきます。
それは、山と人との関係を取り戻し、もう一度林業や木の仕事に誇りを取り戻すきっかけにもなってほしいという、ささやかな願いでもあります。

そしてもうひとつの挑戦が、世界へ向けて始まります。
かつてカナダを拠点に、世界中へ木の建築を届けてきたその経験を、今度は日本の木、日本の匠の技と重ねて、新たなかたちで世界へ送り出していく。
それは、ただの輸出事業ではありません。
日本の自然と文化が育んだ「木と生きる知恵と美意識」を、そのまま家というかたちで届けること。
丁寧につくった木の家が、遠く離れた国の暮らしの中で、時を重ねながら愛されていく。
そんな未来を、ふたりは静かに見据えています。

ふたりの物語は、再び動きはじめました。
日本の森に、もう一度火を灯しながら。
世界に向けて、誠実に、まっすぐに、木とともに生きる豊かさを伝えながら。
これは、歳を重ねても消えなかった、ふたりのロマンの続きです。
そしてその先にある豊かな日本の未来へ向けた、挑戦でもあります。

TOP
CONTACT Instagram Facebook